1975年

やまがたすみこ


チューニングラブ/さりげない二人
CD-250-A


やまがたすみこ チューニングラブ

 1975年7月に発売された8枚目のシングルです。
 「チューニングラブ」は2007年にカスタマイズCDになりました。

A面 チューニングラブ 《初出》
    作詞 三森たかし
    作詞 山県すみ子
    編曲 柳田ヒロ

一慶_もう一人女の子が新進歌手コーナー出ております。拍手でお迎えください。やまがたすみこさん、はいどうぞ。こちらはうって変わってね、面長でございます。
毒蝮あ、あなたマイクロホン持って来なかった?
一慶今日はね、弾き語りで。
毒蝮弾き語りで。
一慶ピアノのそば行きますか。はい、ごくろうさん。はい、えーピアノのそば、ピアノが舞台下手奥の方にありますが。
すみこんばんは。
一慶大丈夫ですか。こんばんは。
すみはは。
毒蝮今のは俺が弾いたんだけれどね。えー背、大きいね。
すみそうですか。
毒蝮何センチくらい?
すみ162ぐらいです。
毒蝮162。
すみそれほどでもないんです。
毒蝮あなたのおうちにもピアノあるの?
すみはい、あります。
毒蝮あっそう。あんまり叩くとね、あの近所で殺されたりなんかするから、気をつけないといけないね。
すみはい、気をつけます。
毒蝮あのーピアノはいくつぐらいからやってるの?
すみえーと習い始めたのは5歳くらいの時なんですけど。
毒蝮あっそう。ピアノを女の子がやるのはいいけどね。あんまり尺八とかねやらないね、女の子ね。
すみやりたいですね。
観客(野次)
毒蝮この野郎。ねー、そういうのもあの珍しい楽器をやるといいのにね。
すみそうですね。教えてくださいますか。
毒蝮ねーあーねー。
すみ是非。
毒蝮山形出身なの?
すみいいえ、あのわたし東京なんですけど、あの本名なんですよ。
毒蝮あっ、東京だけど山形。
すみあの山・県という字を書くんです、ほんとは。
毒蝮あっ、山県有朋の。
すみそうなんです。
毒蝮偉いんだよ、頭が高い頭が高いおのおの方。
一慶関係あるんですか?
すみいいえ。
毒蝮なんだ。
一慶ピアノに、失礼ですがあのーピアノを弾く時に座り方ですが、椅子はこんなに前の方に腰掛けないと弾けないんですか?
すみあのーいろいろその方によってあるんですけど、わたしクラシックから最初入りましたでしょ。だからなんとなくこういう癖がね。
一慶クラシックで。
毒蝮クラシックの人は背もたれにもたれてゆったり弾かない。
マリいえあのクラシックだとね、横からお客様見てるでしょ。だから横から見た感じがね、きれいじゃない。
一慶お尻の形なんかちゃんと見せて。
すみああそうなんですか。
一慶なるほど。ちょっとクラシック何か有名な。
すみいえ全然もう弾けないんです。あの声楽科だったんですよ。
毒蝮ジャジャジャジャーンなんて。
小島声楽科。
毒蝮声楽科。
一慶あの何をお歌いになってたんですか。
すみあのいろいろと。
一慶例えば。
観客めだかのがっこう。
すみそうそう、よく知ってますね。
一慶アベマリアとか。
毒蝮めだかのがっこうは♪
すみ赤とんぼとかね。
毒蝮赤とんぼとかね。
一慶じゃあいいでしょ。あんまりいじめないうちに。
すみあーいまいじめたんですか。
一慶いじめてないんですよ。
すみそうですね。
毒蝮なんかけらけらしてる、ね。柳に風で。いくつなんだっけ?
すみあのー18ですけど10月生まれですので、もうちょっとたったら19です。
毒蝮19になっちゃうわけね。
一慶はきはきしてますね。
毒蝮19の春って歌もあるけどね。元の19にして返せなんて。今日は何弾いて歌ったりするの?
すみ今日はあのチューニングラブという歌なんですけれども。
一慶チューリップラブ。パチンコ屋さんの。
すみえへへ。チューニングラブです。
一慶チューニングラブ。
毒蝮ピアノの調整をしながら歌ってくれる。チューニングラブね。
一慶やまがたすみこさん。
毒蝮どうぞ。
※毒蝮:毒蝮三太夫、一慶:小島一慶、マリ:マリ・クリスチーヌ
《1975年8月30日 TBSラジオ ヤングタウンTOKYO》

 わたしの時間はもう最後になるんですけれども、明治大学の4年生の三森たかしさんという方が詞を書いてくださって私がそれに曲をつけた歌があるんですけれども。えー少年の頃の純粋な一途な気持ちがとっても現れている、一生懸命に思っている気持ち。そういう気持ちがすごい痛いほどにわかる詞があって、それにもう感動してつけた歌なんですけれども。最後に聴いてください。チューニングラブです。
《1975年11月24日 東京女子大学学園祭★》

 えーもう最後の歌になります。一部のえー最後ですけれども、一番新しいシングルレコード、と言っても去年の7月に出したきり出してないんですけれども、あの最後にそれを歌いたいなって思います。
 男の子と女の子がいて、とっても好きなんだけどなかなかその気持ちが言い表せなくてとってももどかしい気持ちってあると思うんです。大人になってそばにいればそれだけでいいのってそういうもんじゃないですね。でなんとかして言葉にして表そうとするんだけれども、その人の前に出ると全く気持ちとは逆の態度になってしまう。そういうことっていうのは誰にでもあるんじゃないかなって思うんです。わたしもあのしょっちゅうそいうことが多くて、例えば別に好きな人の場合じゃなくてもステージに出てきてこうしようと思っていると、なんか逆のことになってしまって。そういうのっていうのはとっても10代の人には多いんじゃないかなって、そういう気がするんです。
 今のうちわたしも10代最後になりましたけれども、歌っておかなくちゃってそういう気持ちであの歌いますけれども、えー男の子と女の子、ギターに喩えれば一弦と二弦でなかなか合わない合わないと苦労してそういう感じが似てるんじゃないか。そういう所からできた歌ですけれども、えー東京の大学生三森たかしさんが詞を書いてくださいまして、えーわたしがそれに曲を付けました。チューニングラブを最後に聴いてください。
《1976年3月13日 ビューティフルコンサート 仙台電力ホール★》

 最後にチューニングラブという歌があるですけれども、これは高校生ぐらいの年代の頃に思う気持ちじゃないかなって思うんですけれどもね。あのー例えば男の子と女の子がいて、どっちもとっても好きなんだけれどもなかなかその気持ちをうまく現せなくてもどかしいっていう気持ちがあると思うんです。大人になってしまってなんというかもうそばにいるだけでそれで言葉もいらない、そういう愛もあると思うけれどもそういう人たちの愛に比べてもっともっとひょっとしたら強いものじゃないかなっと思うんです。
 でなんかそれはギターのチューニングのようになんというのかな、一弦と二弦がなかなか合わないんだけれども、合わせよう合わせようと一生懸命しているそういう感じからできたんじゃないかなとそういう感じがします。えー最後にチューニングラブを聴いてください。どうもありがとうございました。
《1976年3月 富山県立雄峰高校卒業式コンサート 富山市公会堂★》


 いい曲です。すみこさんファンにはたまりません。ただ、果たして一般的かどうか。
 アルバムの片隅にひっそり収録され、ファンの間で熱く語られる歌だったと思います。

B面 さりげない二人 《初出》
    作詞 喜多条忠
    作詞 加藤和彦
    編曲 渡辺俊幸

 全体的な雰囲気は初期の第1〜3集っぽい感じがします。でもこの二人、片想いや失恋で終わることなくハッピーな点が大きく異なります。
 詞は「神田川」、そして「夏の光に」の喜多条忠。ビートルズの「ハロー・グッバイ」の影響を受けてるのかな?
 どちらかと言えば、こちらの方がA面向きです。


オルゴール
CD-7144-A


やまがたすみこ オルゴール

 1975年8月に発売された5枚目のアルバムです。
 石川鷹彦、所太郎、ときて今度は柳田ヒロですね。私が柳田ヒロについて知っていることは非常に少なくて新六文銭の一員(他はよしだたくろう、小室等、チト(?)河内、後藤次利でしたっけ?)だったことくらいでしょうか。実はその縁で「HIRO」というCDも持ってます。その解説を読んでみると、もちろん「オルゴール」については触れてなくて(当然だ。)、日本を代表するキーボード奏者だったとのこと。これは井上鑑氏と同じですな。
 一体誰がどういう基準で選んだのだ? と言いたくなるベスト・アルバムが多い中、「オルゴール」の中から「すみこ・ふぁいる」で選ばれたのは「曇り空」、「独言<つぶやき>」の2曲。これは非常に順当な選曲だと思います。
 2003年にCD化されました。

A−1 愛しい貴方に 《初出》
     作詞・作曲 山県すみ子

A−2 曇り空 《初出》
     作詞 赤井正
     作曲 山県すみ子
     編曲 柳田ヒロ

A−3 ラメンテーション(悲嘆) 《初出》
     作詞 山県すみ子
     作曲・編曲 柳田ヒロ

 次の歌はどちらかというとほんとは真夜中に聴いていただきたいなというそういう感じなんでいいですかみなさん、夜明け前という感じでえーそうですね、午前3時、今は午前3時です。悲しみにうちひしがれてる女が一人。水割りをこう手にぽっと置いたりなんかしてため息をついている。そういう雰囲気で聴いていただきたいと思います。ラメンテーション聴いてください。
《1976年3月13日 ビューティフルコンサート 仙台電力ホール★》

 えー今日はあのー本当は衣装を、別な衣装を持って来ていたのですけれど、かなりシースルーのもので、なんと寒いのでマイクを持っただけでも冷たくて、そんなわけでそれを着ないででてきたわけなんですけど、残念なことに。ですけどあの次の歌はそれを着たと思って聴いていただきたいと思います。真夜中というか夜明け前というかそういう雰囲気、失恋したというかなんというかな。打ちひしがれた女の人が一人でこう、好きでもない男の人の肩にからだをもたれてそういう雰囲気で聴いていただきたいと思います。1部の最後になりますけど、「ラメンテーション」を聴いてください。
《1976年11月6日 北里大学学園祭★》

A−4 幸福駅 《初出》
     作詞・作曲 山県すみ子
     編曲 柳田ヒロ

A−5 日がな一日 《初出》
     作詞 三森たかし
     作曲 山県すみ子
     編曲 柳田ヒロ

B−1 独言<つぶやき> 《初出》
     作詞・作曲 山県すみ子
     編曲 柳田ヒロ

 それではもう一度わたしの歌に戻りますけれども、えー4枚目のアルバムまで紹介しまして、いよいよ5枚目のアルバムになるわけですけれども、カワイヤングタウンのほうでも一番リクエストの多かったし、わたしもどうしてもシングルにしたかったというその希望の歌なんですけれども、えー紹介したいと思います。5枚目のアルバムオルゴールから独言<つぶやき>を聴いてください。《1976年3月13日 ビューティフルコンサート 仙台電力ホール★》

 次の曲を歌いたいと思います。えーアルバムを5枚出してるんですけれども、5枚目のアルバムに入っている歌で、地方にコンサートに行って朝早い汽車に乗る時に駅のそばの喫茶店でとっても苦い不味いコーヒーを飲んで、あー来ない人を待つ時はこんな味がするのかしらと、そういう気持ちで飲みまして、その電車の中でできた歌なんですけれども、えー独言<つぶやき>という歌を聴いてください。
《1976年3月 富山県立雄峰高校卒業式コンサート 富山市公会堂★》


 聴いてて、思わず「いい歌だなぁ」とつぶやきたく、いえいえ大声で叫びたくなるくらいいい歌です。すみこさんの魅力が余すことなく発揮されてますし、それでいて一般受けもしそうな感じです。
 歴史に「もし」は禁物ですが、それでももし「独言<つぶやき>」がシングルカットされていたらあるいは悲願だった(の?)オリコンベスト100入りしたかもと思われてなりません。
 と自分で書いててなんだけどすみこさんの魅力と一般受けは背反するのだろうか。

B−2 優しい夜 《初出》
     作詞 山県すみ子
     作曲・編曲 渡辺俊幸

B−3 さりげない二人

B−4 私の旅 《初出》
     作詞 赤井正
     作曲 山県すみ子
     編曲 柳田ヒロ

B−5 オルゴール 《初出》
     作詞 三森たかし
     作曲 山県すみ子
     編曲 柳田ヒロ


ニュー・フォーク・ベスト14

 1975年に発売されたオムニバスアルバムです。
 収録曲は下記の通りです。

A−1 想い出まくら 《初出》
     歌 やまがたすみこ
     作詞・作曲 小坂恭子
     編曲 中村弘明

 オリジナルは1975年5月に発売された小坂恭子のシングル盤です。

 あのね、えーとすみの歌を聴いていただきたいんですけれどもね。あの今回はあのわたしの歌ではなくって、あのコロムビアという所であのいろんなね、コロムビアに所属している人の、が、あの他の人の歌を歌ったアルバムを出したらしいんですけども、それで歌った歌があるんです。想い出まくらを聴いてください。
《ラジオ関東 ミッドナイトプラザ★》


 恐らくこのアルバムのことではないかと思われます。「想い出まくら」は1976年に「すみこ・ふぁいる」に収録され、2007年にカスタマイズCDになりました。

A−2 「いちご白書」をもう一度
     歌 高橋ただし
A−3 東京
     歌 川津恒一
A−4 おはようさん
     歌 ダ・カーポ
A−5 22才の別れ
     歌 ミルキー・ウェイ
A−6 となりの町のお嬢さん
     歌 高橋ただし
A−7 僕にまかせてください
     歌 山本達郎
B−1 俺たちの旅
     歌 中村雅俊
B−2 今はもうだれも
     歌 ウッディー・ウー
B−3 我が良き友よ
     歌 六角幸生
B−4 裏切りの街角
     歌 高橋ただし
B−5 ペパーミント・キャンディ
     歌 ペッパーズ
B−6 ともしび
     歌 ブレッド&バター
B−7 遠い悲しみ
     歌 ミルキー・ウェイ

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